「口は禍の元(くちはわざわいのもと)」と言いますが、言い方ひとつで相手をなごませたり怒らせたりって本当にありますよね。
私は生命保険会社に勤めていたことがありますので、それをよく実感しました。
生命保険は、人の生死によって保険金が支払われるかどうかの話をしますので、どうしても「死」という言葉が避けられません。
それでも、できる限り言葉に注意するという習慣がこの時代についたような気がします。
たとえば年金保険の説明をするとき・・・。
年金は死ぬまでもらえるわけですが、まさか
「死ぬまで年金が受け取れます」とは言えません。
ここは、
「生きている限り年金が受け取れます」と言い換えます。
これは結婚式での神父さん(または牧師さん)の言葉も同じですね。
昔は「死が二人を分かつまで・・・」と言っていました。
今では「その命がある限り・・・」と言い換えているようです。
窓口にお客様が見えて
「営業の〇〇さん、いますか」と言われたら
「○○ですか、少々お待ちください」はダメです。
「○○ですね、少々お待ちください」と言います。
また、「〇〇さんと10時に約束しています」と言われたら
「お待ちしておりました」と最初に言うようにします。
困るのは死亡保険金の請求を電話で受けたときです。
「主人(父・母)が亡くなりまして・・・」
「では、保険金請求に必要な書類を説明します」
これでは先方の気分を害してしまいます。
自分が逆の立場ならムカつきます。
だからと言って
「ご愁傷さまでございます。では、保険金請求に必要な書類を説明します」
これでも、やっぱり不快に思う人もいるのではないかと思います。
私は次のように言っていました。
「ご愁傷さまでございます。少しでも早くお役に立ちたいと思いますので、早速ですが保険金請求の手続きについて説明してもかまいませんか」
相手は、保険金を請求するために電話をしてきているわけですが、そう感じさせない工夫は必要ではないかと思います。
入院給付金の請求でも、ひと通り説明が終わったあと、電話を切る前に
「お大事になさってください。」とひと言付け加えます。
これで、先方から「ありがとう」と言われるとこちらも気分がよくなります。
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